みどころ

  1. 20世紀北欧デザインを代表する巨匠のひとり、スティグ・リンドベリ。デザイナーとして活動を始めた1930年代後半から晩年の1980年代初頭までの代表的な作品、約300点が集結。
  2. 代表作のテーブルウエアのほか、⼈気の⾼いファイアンスや一点ものの炻器(せっき)、アートウエア、フィギュア、テキスタイルなど、スティグ・リンドベリの多彩なデザインの魅力を紹介。
  3. 日本への愛情をはぐくみ、日本人と多くの交流を持ったリンドベリ。手元に置いていた日本の品々や、日本の美にインスピレーションを得て制作した作品を展示。

第1章

テーブルウエア(1940-1980年)

1940年頃の初期作品から1980年代初めにおける最後のデザインに至るまで、スティグ・リンドベリのテーブルウエアを包括的に紹介します。1950年代、1960年代に作られた著名な[ベルサ] [プルーヌス] [サリックス] [ピンタ]シリーズのみならず、[ティング]など日本ではあまり知られていないシリーズも展示します。

[ベルサ]装飾、[LL]モデル/ディナーセット
1957年/モデル、1960年/装飾
Estate of Stig Lindberg

第2章

「H55」(国際建築⼯業デザイン博覧会)

1955年にスウェーデンのヘルシンボリで開催され、20世紀北欧デザインを牽引する役割を果たした歴史的な国際建築工業デザイン博覧会。同展に出品された作品群、[テルマ] [スピーサ・リッブ][コロラド] [ドミノ]シリーズといった炻器のテーブルウエアを紹介します。

[テルマ]シリーズ/クッキングセットとスケッチ 1955年
Estate of Stig Lindberg

第3章

ファイアンス

リンドベリが長年にわたって制作したファイアンス(錫釉陶器)の作品を紹介する主要なセクションです。1940年代から50年代にかけて制作された、手描きの花柄模様や幾何学模様の作品のほか、1960年前後に制作されたプリントと手描きを組み合わせた装飾が施された[カーニバル]シリーズ、そして1966年の明快な縞模様の[ファイアンシエン]シリーズなどの作品群を紹介します。

蓋付花図水差 1940年代
Estate of Stig Lindberg

第4章

アートウエア

「アートウエア」は、ディナーテーブル用とは異なり、マントルピースや本棚に置くためにグスタフスベリ工場で作り続けられたオブジェです。リンドベリは、1950年代のエレガントなモノクロの[ヴェックラ]シリーズや[プンゴ]シリーズ、手描きによる銀の装飾が施された[グラーシア]シリーズや[フィリグラーン]シリーズなどのデザインで、数十年にわたりグスタフスベリ工場のアートウエア生産に貢献しました。リンドベリに愛された非対称な形状と、形と装飾を組み合わせた技術を紹介します。

[フィエル](スケール)シリーズ/花入 1960年
Estate of Stig Lindberg

第5章

フィギュア〈人物と動物〉

リンドベリは人物と動物をモチーフとした革新的なフィギュア作品を制作しました。小さなフィギュアや彫刻、レリーフからは、リンドベリの豊かな想像力や、様々な素材や製造方法を試したいという願望が感じられます。お馴染みの[スプリンガレ]シリーズの馬のフィギュア、素焼きの白い[パリアーン]シリーズなど、多岐にわたる作品を紹介します。

[動物園]シリーズ
クマ、イノシシ、ゾウ、カバ、キリン、
サル、セイウチ、バッファロー 1940年
Estate of Stig Lindberg

第6章

炻器の彫刻(ユニークピース)

主に1940年代にグスタフス磁器工房のリンドベリのスタジオで手びねりで制作され、部分的に釉薬をかけない技法が用いられた珍しい炻器の彫像を紹介します。

《ラマ》1940年代
Estate of Stig Lindberg

第7章

炻器の器(ユニークピース)

リンドベリはそのキャリアを通じて、常に一点ものの炻器の器を大量に製作することを支持しており、小人数のアシスタントとともにスタジオで製造された一点ものの作品は主に展覧会で販売されました。本章では、1950年代の細身で優美なパステルカラーの器から、1960年代の牛血紅やウラニウム釉を使った濃色の器。そして1970年代のより重厚で素朴な表現への方向転換に至るまで、リンドベリの炻器の発展をたどります。

《人物像付瓶形花入》、《人物像付ボトル形花入》
1962年、1962年頃
Estate of Stig Lindberg

第8章

テキスタイル

1940年代にリンドベリは、スウェーデンにおける大手のNK百貨店のテキスタイル部門部長、アストリッド・サンペとのコラボレーションを開始し、その協同事業は大きな身を結びます。リンドベリは、具象であれ幾何学模様であれ、細やかな構図を作ることに長けていました。本章では、麻やベルベット素材のヴィンテージテキスタイルと、2000年代に再版されたパターンのテキスタイル作品を紹介します。また、スケッチや、妻であるグンネルがリンドベリのデザインに基づいて手織りしたいくつかのタペストリーも展示します。

[国王コンスタンティノスとアンナ=マリア王妃]
/タペストリー 1967-1973年
Estate of Stig Lindberg

第9章

スティグ・リンドベリと⽇本

リンドベリは、1959年の日本への旅行やグスタフスベリの工場を訪れた日本人デザイナーやビジネスマンを通じて、日本への愛情を育み、日本人と多くの交流を持ちました。本章では、リンドベリが手元に置いていた日本の品々、日本の美にインスピレーションを得て制作した作品、そして来日時の写真等を紹介します。

《ティーポット》1960年、1965年
Estate of Stig Lindberg

第10章

⼦供のためのデザイン

リンドベリは様々な分野において、子どものためにモダニズムのデザインをする先駆者でした。本章では、ユーモラスにデザインされた子ども用食器やリンドベリが挿絵を描いた児童書、チェスやトランプカード、原画のスケッチも合わせて紹介します。

[ベイビー]装飾、[SB]モデル/子ども用食器セット 1951年
Estate of Stig Lindberg

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